稽留流産を経験して 

2018年4月自然妊娠し6月に8週相当の稽留流産となり手術をしました。現在2回目の妊娠中で、これはその1回目と2回目の記録。現在30歳結婚3年目。

38w5d 今だから読んだ本シリーズ

「母ではなくて、親になる」山崎ナオコーラ

 

f:id:misawada:20191016211803j:image

 

 作家が書く妊娠・出産・育児エッセイが好きで、これもネットで見つけて買って読んでみた。

 タイトルがタイトルだけに、男への不満のようなものが書いてあるのかと思いきや全く持ってそうではなかった。むしろ作者自身、極力男女の性差など本当にないかのような感じだ。私は男女差別はもちろんしたくないものの、やはり男女分業の考えが抜けきっていないのを自分で自覚している。ここまでプレーンでいられるのがうらやましく思った。また、全体的に感じる、赤ちゃんをひとつの「個」として扱っている感じがとてもよかったなと思った。赤ちゃんは自分の子といえども、それはあくまで別の人だもんね。それと、育児に対する姿勢が、自分に素直で無理していなくて、変に頑張らなきゃと構えていないところが素敵に映った。子育てを楽しんで面白がって、でも「育児楽しんです!!(キラキラ)」という押しつけがましさのないこの感じ。世の中の変な常識、固定概念(例えば、育児=大変、親=子供中心)に染まっていない著者だから自然に感じることのできる気持ちなんだろうな、と思う。私としては、自分で自分の首を絞めて、自分こんなに頑張っている、自分は大変なんだ!と思ってしまうことのないように気をつけたいと思う。

 

 はっとした個所は以下の通り。

・おしゃれをしたり若作りをしたり、といったことは、自分自身がそういう行為を好きだからやることで。「子どものために」というのはやってはいけないのではないか?と私は思うのだ。(大島弓子さんの『サバの夜の夜長』(白泉社文庫)の中に、「あんたのためにということばはいついかなる時も美しくない」という科白があった。それ以来、私は「〇〇のために」という言葉を疑っている。)

・とにかく、べったり赤ん坊と過ごせるのは今だけだ。数年後にはきれいさっぱり忘れて、嫌でも赤ん坊と距離を取らなければならなくなることを肝に銘じておこう。

 仕事を忘れて赤ん坊に尽くしすぎたら、きっと数年後につらい思いをするだろう。

・ただ、基本的に、過去も未来も今を輝かせるためにある。逆ではないのだ。過去の写真を見て自己肯定感を持てたら、今の時間がより輝いて見える。未来が明るいと感じられたら、今の時間がより楽しくなる。そういう理由で過去や未来は存在しているのだから、過去のために今をないがしろにしたり、未来のために今を消費するのは、本末転倒だ。

 

 よい読書時間を過ごさせていただいた。